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1.キリスト教はどのようなものなのですか?

紀元後1世紀、現在のパレスティナ(イスラエル、レバノン、シリア、ヨルダン地を含む地帯)のガリラヤ地方(イスラエル北部にあたる)ナザレから現れたイエスを救い主(メシア)イエス・キリストと信じ、ユダヤ教の聖典を起源とする『旧約聖書』と、イエスや(その弟子である)使徒たちの言行を記した『新約聖書』を聖典・規範とし、隣人愛・神の愛を説く宗教です。

世界における信者数は20億人強で、すべての宗教の中で最も多いです。

3.正教というのも聞きますが、どのようなものですか?

正教も、キリスト教の教派のひとつです。ギリシャ正教もしくは東方正教会(とうほうせいきょうかい、Eastern Orthodox Church)とも呼ばれています。カトリックがローマを中心に発展していったものに対し、正教会はいまのイスタンブールを中心として発展し、ローマ帝国の滅亡後残ったビザンチン帝国の保護下で発展し、ローマとの交流がなかったことから独自発展したものです。

カトリックと正教会のめだつ違いは“暦”です。現在、全世界で使用されている西暦は”グレゴリオ暦”と呼ばれて、1582年にローマ教皇グレゴリオ13世が採用したものです。しかし、正教会はその影響を受けませんでしたので、その前つまりジュリアスシーザーそしてその後のローマ初代皇帝のアウグストゥスが採用したユリウス暦を使用しています。

2.カトリックとプロテスタントという言葉を良く聞きますが何が違うのですか?

おおまかな言い方をすれば、歴史的な経緯とイエス・キリストの教えの捉え方の違いといえるでしょう。

キリスト教は、イエス・キリストの死、復活そして昇天のあと、使徒たち(弟子)を中心としてスタートしました。その後使徒たちの伝道活動により、地中海世界にひろがっていきました。ローマ帝国の迫害をへて、やがて4世紀に公認されました。キリスト教はローマ帝国の滅亡後もローマ教皇を中心として発展していきます。これが今日のカトリック教会です。 カトリック教会は、全世界に10億人以上の信徒を有するキリスト教の最大教派です。

一方プロテスタント(Protestant)は、ルター等による16世紀の宗教改革運動を始めとして、カトリック教会から分離し、特に聖書のみを信仰の基本とするキリスト教諸派の総称です。日本ではカトリック(旧教)に対し、「新教」(しんきょう)とも呼びます。

4.プロテスタントもいくつかの団体に分かれているようなのですが何故ですか?

カトリックとプロテスタントの違いに述べたように、プロテスタントとは特定の教派・教団を指す名称ではなく、神学や教義解釈がそれぞれ異なる多数の教派(主にカトリックから分裂した教派、もしくはそこから更に分裂した教団)を総称して呼んでいるからです。更に同じ教派でも、法人としてはさらに分かれていることもあります。これは移民や宣教地域等によって成立母体が異なる場合などが理由です。たとえば、聖路教会はプロテスタントのバプテストという教派に属しておりますが、法人としては、日本バプテスト同盟に所属する教会である、といったような例です。